新人看護師のスケジュール管理が上手くなるためには?明日から仕事を回すための7つの方法

はじめに

「もっと優先順位を考えて」

「先のことを考えて動いて」


新人看護師なら、一度は先輩から言われたことがあるのではないでしょうか。

でも僕は、この言葉だけではスケジュール管理は上手くならないと思っています。

なぜなら、

「優先順位って、どうやって決めるの?」

「先のことって、どこまで考えればいいの?」

という一番知りたい部分が抜けているからです。

朝、一生懸命スケジュールを書いた。

今日は絶対に予定通り動こうと思った。

それなのにナースコールが一つ入っただけで予定がズレる。

処置に思った以上に時間がかかる。

気づけば昼休憩の時間なのに、午前中の仕事が終わっていない。

勤務終了時間になっても記録が残っている。

隣では同期が帰る準備をしている。

そんな日が続けば、

「また今日もできなかった」

「自分って本当に仕事が遅いな」

と落ち込んでしまいます。

でも前回の記事でも書いたように、新人看護師の仕事が回らないのは、単純に要領が悪いからではありません。

スケジュール管理の「やり方」をまだ知らないだけです。

そしてスケジュール管理は、経験だけに頼らなくても、考え方を変えることでかなり改善できます。

今回は僕が新人看護師に伝えたい、

「明日の勤務から使えるスケジュール管理の方法」

を具体的に紹介します。

目次

  1. はじめに
  2. ① 朝一番に「絶対に動かせない予定」を書く
  3. ② 自分が何分かかるのかを知る
  4. ③ 迷ったら「今やらないと困ること」から考える
  5. ④ 予定は最初から崩れるものとして作る
  6. ⑤ 1時間に一度「現在地」を確認する
  7. ⑥ 「間に合わない」と思う前に相談する
  8. ⑦ 勤務後に反省するのは一つだけ
  9. スケジュール管理は、センスではありません。

① 朝一番に「絶対に動かせない予定」を書く


新人看護師のスケジュール表を見ると、朝から夕方までびっしり予定を書いていることがあります。

でも、最初から全部決める必要はありません。

まず確認してほしいのは、

「時間が決まっている仕事」

です。

例えば、

10時 CT検査

11時 抗菌薬

13時 リハビリ

14時 家族への退院指導

こうした時間を動かしにくい予定を最初に書きます。

これが一日の「柱」です。

その間に、清潔ケア、環境整備、記録など時間を動かせる仕事を入れていきます。

例えば10時に検査がある患者さんなら、9時50分まで清拭をする予定を立てるのではなく、

「9時30分には清拭を終えて検査準備に入ろう」

と考えます。

ポイントは、

「10時に何があるか」

だけを見るのではなく、

「10時の予定に間に合わせるためには、何時から動く必要があるか」

まで考えることです。

予定を書くことがスケジュール管理ではありません。

次の予定から逆算して動くことが、スケジュール管理です。

② 自分が何分かかるのかを知る


僕が新人の頃、あと10分で検査出しをする患者さんがいるのに、別の患者さんの全身清拭に行こうとしたことがあります。

そのとき先輩から、

「君は自分が清拭に何分かかるかわかってる?」

と言われました。

当時の僕は答えられませんでした。

「清拭をする」という予定しか考えておらず、

「自分が清拭をすると何分かかるのか」

まで考えていなかったからです。

ここは新人看護師にぜひ意識してほしいところです。

先輩が15分でできる清拭でも、自分は30分かかるかもしれません。

それなら、30分かかる前提で予定を組めばいい。

無理に先輩と同じ時間で終わらせようとする必要はありません。

例えば勤務中に、

「清拭30分」

「点滴準備15分」

「情報収集20分」

くらいでいいので、自分がどれくらい時間を使っているか意識してみてください。

これを繰り返すと、

「このあと20分しかないから、今このケアを始めるのはやめよう」

という判断ができるようになります。

スケジュール管理が上手くなる第一歩は、自分の仕事の速さを知ることです。

③ 迷ったら「今やらないと困ること」から考える


仕事が重なると、

「あれもやらないと」

「これもまだできていない」

と頭の中がいっぱいになります。

そんなときは、

「全部やらなきゃ」

ではなく、

「今やらなかったら何が一番困る?」

と考えてみてください。

例えば、

患者さんから「身体を拭いてほしい」と言われた。

同じタイミングで、10分後に検査搬送がある。

さらに別の患者さんの点滴交換も近づいている。

このとき、

「患者さんに頼まれたから清拭をしないと」

と考えると予定が崩れます。

検査は時間が決まっている。

点滴も投与時間を確認する必要がある。

一方、清拭は患者さんと相談して時間を変更できるかもしれない。

ここまで考えられると、

「まず検査搬送。そのあと点滴を確認して、清拭は患者さんに時間を相談しよう」

と整理できます。

優先順位とは、仕事に順位をつけることではありません。

「今やらないことで何が起こるか」を考えることです。

迷ったら、

患者さんの安全に関わるか。

時間が決まっているか。

後回しにできるか。

この3つを考えてみてください。

④ 予定は最初から崩れるものとして作る


新人の最初の頃は、

「せっかくスケジュールを作ったんだから、この通りやらなきゃ」

と思う人が多いと思います。

だってそのために朝早くから情報収集をして、

行動計画を立てて

先輩看護師に「今日の行動計画を発表させていただいてもよろしいでしょうか?」と

緊張しながら声をかけにいくわけじゃないですか?

でも病棟勤務で、朝に作った予定が夕方まで一度も崩れない日はほとんどありません。

だから最初から、

「予定は崩れるもの」

として考えておく必要があります。

例えば、

9:00 検温

9:30 清拭

10:00 点滴

10:30 処置

11:00 記録

と30分刻みですべて埋めるのではなく、どこかに余白を作ります。

この余白にナースコール、追加指示、患者さんの相談、急な処置などが入ります。

余白があるだけで、一つ予定がズレても、その後すべてが崩れることを防げます。

仕事ができる人ほど、予定をぎっしり入れているように見えるかもしれません。

でも実際は、

「何かあったらここで調整しよう」

という時間を頭の中に作っています。

完璧な予定表を作る必要はありません。

崩れても立て直せる余白を作っておくことが大切です。

⑤ 1時間に一度「現在地」を確認する


新人看護師が仕事を回せなくなる原因の一つが、

「遅れていることに気づくのが遅い」

ことです。

朝立てた予定を確認しないまま

気づいたら12時。

そして、

「清拭できてない」

「記録してない」

「点滴交換も近い」

と一気に焦ります。

これを防ぐために、1時間に一度

立てたスケジュールを見ましょう。

そのとき確認するのは3つだけです。

「今どこまで終わった?」

「次の1時間で絶対にすることは?」

「このまま一人で間に合う?」

例えば11時の時点で清潔ケアが一人残っていて、11時30分に処置、12時に食前薬がある。

この場合、

「全部急いでやろう」

ではなく、

「清潔ケアは午後に変更できるか確認しよう」

「11時30分の処置を優先しよう」

と組み直します。

朝の予定を守る必要はありません。

その時点で一番安全に仕事が回る予定へ何度でも書き換えていいのです。

ただその予定を変更するという行為自体、
新人看護師が苦手な部分です。

予定をどう変更しようか迷う場面もあると思います。

そんな時に大事になってくるのが、次の項目です。

⑥ 「間に合わない」と思う前に相談する


新人看護師がやってしまいやすいのが、

ギリギリまで一人で頑張ることです。

そして本当に間に合わなくなってから、

「すみません、まだ終わってません」

と伝える。

これだと、先輩もフォローするのが難しくなります。

相談するタイミングは、

「もう無理」

になってからではありません。

「このままだと厳しいかも」

と思ったときです。

例えば、

「10時にAさんの検査搬送があって、10時30分にBさんの点滴交換があります。検査が長引いたら点滴交換に間に合わない可能性があります。その場合お願いしてもいいですか?」

ここまで言えれば、先輩も状況を把握できます。

そして新人自身も、

予定を確認する。

時間を予測する。

重なりに気づく。

支援を求める。

というスケジュール管理に必要な思考ができていきます。

「人に頼る=仕事ができない」

ではありません。

仕事ができる看護師ほど、

「自分一人では難しくなるタイミング」

を早く察知して周囲を巻き込みます。

「1人じゃ無理だ」と判断し、ヘルプをちゃんと出せること。

これもチーム医療を行う上で、必須となる力です。

最初は周りに気を使うかもしれませんが、
ちゃんとヘルプを出せば
意外と助けてくれるんですよ。

なぜならそれが患者安全につながると、
先輩たちは知っているのだから。

⑦ 勤務後に反省するのは一つだけ


仕事が終わらなかった日の帰り道。

「あそこで遅れた」

「あの報告も上手くできなかった」

「同期はできてたのに」

と、頭の中で一日を反省し続けていませんか?

でも、

「今日も全然できなかった」

という反省からは、次の行動は生まれません。

勤務後に振り返るなら一つだけで十分です。

「今日はどこから予定が崩れた?」

例えば、

「清拭に40分かかって、そのあとの点滴が遅れた」

と分かったなら、

次回は、

「清拭は40分かかる前提で予定を作る」

これだけです。

相談が遅かったなら、

「次は間に合わないと思った時点で相談する」

これだけでいい。

一日で全部改善しようとしないことです。

一勤務につき一つ改善する。

それを20勤務続ければ、20個の改善が積み重なります。

その積み重ねが、数か月後の大きな差になります。

スケジュール管理ができるようになると、仕事の景色が変わる

スケジュール管理ができるようになる一番のメリットは、

「仕事が速くなること」

だけではありません。

頭の中の焦りが減ります。

「次何するんだっけ?」

と毎回考える時間が減ります。

患者さんの話を聞いているときも、

「まだあれやってない」

「次の点滴に間に合わない」

と頭の中で焦ることが少なくなります。

そして少しずつ、

患者さんの表情を見る余裕。

先輩へ相談する余裕。

後輩や周囲を見る余裕。

看護そのものを考える余裕。

が生まれてきます。

逆に、スケジュール管理が苦手なままだと、どれだけ知識が増えても、

いつも時間に追われる。

仕事が終わらない。

先輩にフォローしてもらう。

自信をなくす。

勤務に行くのが嫌になる。

という悪循環に入りやすくなります。

だからこそ、新人のうちに身につけてほしいのは、

「誰よりも速く仕事をする方法」

ではありません。

「仕事に追われないための考え方」

です。

明日の勤務で、一つだけ変えてみてください

スケジュール管理は、センスではありません。


やり方を知って、何度も繰り返すことで上手くなっていきます。

明日の勤務から全部やろうとしなくて大丈夫。

まず、

時間が決まっている予定を書く。

自分が業務に何分かかるか意識する。

1時間ごとにスケジュールを見る。

間に合わないと思ったら早めに相談する。

この中から一つだけやってみてください。

最初は上手くいかないかもしれません。

それでも大丈夫です。

昨日まで、

「なんで自分は仕事が遅いんだろう」

と落ち込んでいた状態から、

「今日はここを変えてみよう」

と考えられるようになれば、それだけでも大きな変化です。

仕事ができる先輩も、最初からスケジュール管理ができていたわけではありません。

失敗して。

予定が崩れて。

先輩に助けてもらって。

また次の日に少しやり方を変えて。

その繰り返しで、少しずつ仕事を回せるようになっていきます。

数か月後、

勤務終了時間が近づいたときに、

「記録もほとんど終わってる」

「次にやることも分かってる」

「今日は患者さんともちゃんと話せた」

と思える日が増えてくるはずです。

目指してほしいのは、

誰よりも仕事が速い看護師ではありません。

忙しい中でも、焦らず優先順位を考え、必要なときには周囲に頼りながら、患者さんに向き合える看護師です。

そのための土台になるのが、スケジュール管理です。

明日の勤務。

まず一つだけ、やり方を変えてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました