「あの先輩と勤務か…」で憂鬱になる新人看護師さんへ

怖い先輩に萎縮せず、自分と患者さんを守りながら働くために

勤務表を見た瞬間、

「あ……明日、あの先輩と一緒だ」

それだけで仕事に行くのが嫌になったことはありませんか?

質問すると、

「それくらい自分で考えて」

報告すると、

「で?何が言いたいの?」

何かミスをすれば、周りに聞こえるような声で注意される。

そんな経験が続くと、いつの間にか仕事そのものより、

「怒られないようにしなきゃ」

「先輩の機嫌を損ねないようにしなきゃ」

ということばかり考えるようになります。

僕自身、新人看護師だった頃は、先輩に声をかけるだけでも緊張していました。

「今話しかけたら怒られるかな」

「こんなことを聞いたら、『そんなことも知らないの?』と思われるかな」

そう考えているうちに質問するタイミングを逃し、結局、

「なんでもっと早く聞かなかったの?」

と言われる。

新人時代に苦しかったのは、「分からないことが多い」ことだけではありませんでした。

分からないことを安心して「分かりません」と言えないことも、大きな苦しさだったと思います。

この記事で伝えたいのは「怖い先輩と仲良くなる方法」ではありません。

すべての先輩から好かれる必要もありません。

僕が伝えたいのは、

「怖い先輩がいても必要以上に萎縮せず、自分と患者さんを守りながら働く方法」

です。

今、特定の先輩との関係に悩んでいる人に、少しでも役立ててもらえたらと思います。

目次

  1. 怖い先輩に萎縮せず、自分と患者さんを守りながら働くために
  2. 1.怖い先輩がいると、なぜ仕事ができなくなるのか
  3. 2.「怖い先輩」をひとまとめにしない
  4. 3.怖い先輩ほど「質問の型」を持っておく
  5. 4.怒られたことと「自分の価値」を一緒にしない
  6. 5.怖い先輩と勤務するときこそ「準備」をする
  7. 6.「怖くても絶対に相談するライン」を決める
  8. 7.それは「怖い先輩」で済ませていいのか
  9. 怖い先輩に好かれなくても、看護師は続けられます

1.怖い先輩がいると、なぜ仕事ができなくなるのか

たとえば患者さんの血圧が、いつもより低かったとします。

本来なら、

「先輩に相談しよう」

と考えればいい場面です。

ところが、怖い先輩が相手になると、

「これくらいで報告したら怒られるかな」

「もう少し様子を見た方がいいかな」

「自分で考えろって言われるかもしれない」

と、患者さんの状態とは別のことを考え始めてしまいます。

すると、

先輩が怖い
↓
質問・相談をためらう
↓
一人で抱え込む
↓
判断や行動が遅れる
↓
注意される
↓
さらに先輩が怖くなる

という悪循環に入ってしまいます。

この状態が続くと、

「自分は仕事ができない」

と思うようになります。

そして今まで自信を持ってできていたことも

どうやっていたかわからなくなる

そんな状態に陥ります。

でも、相談しやすい先輩と一緒に働いている日はどうでしょうか。

分からないことをすぐ確認できる。

困ったら助けを求められる。

その結果、いつもよりスムーズに仕事ができることもあると思います。

つまり、自分の能力だけではなく、安心して相談できる環境かどうかも仕事のしやすさに影響しているということです。

だから、

「もっとメンタルを強くしなきゃ」

だけで解決しようとしなくていいのです。

2.「怖い先輩」をひとまとめにしない

怖い先輩にもいろいろなタイプがいます。

普段は優しいけれど、忙しくなると口調が強くなる人。

「それくらい自分で考えて」と言う人。

新人に対して特に厳しい人。

人によって態度を変える人。

この中には、自分の関わり方を少し変えることで、コミュニケーションが取りやすくなる人もいます。

たとえば、

「どうしたらいいですか?」

ではなく、

「私は○○だと考えているのですが、この対応でいいでしょうか?」

と、自分の考えを添えて質問する。

緊急性の低い質問なら、

「今、少しお時間いいですか?」

と一言確認してから話す。

これだけで反応が変わる先輩もいます。

僕の新人時代に過ごした病棟では

『ポリス』と呼ばれている先輩看護師がいました。

その人は正義感が強く

病棟内でも怖いと有名な先輩でした。

僕も最初の方は質問すること自体気を遣うし、

質問したことでまた違う質問が返ってきたらどうしようと思い、

あまり自分から関わろうとはしていませんでした。

でもある日初めて行う処置があるときに

上席としてその先輩がついてくれることになり、

自分で調べたこと、ここまでは理解していてこの先がわからないと

素直に相談してみました。

わからないと言ってしまったことで怒られるかと思いきや、

意外と質問した以上のことまで教えてくださり、

「そうやって自分から質問に来るのを待っていたのよ」

と肩を叩きながら、その先輩は笑顔で言ってくれました。

それ一件からその先輩は

『怖い先輩』から

『怖いけど質問したらちゃんと助けてくれる先輩』

にかわり、何か困ったことがあれば

まず一番に相談しにいける先輩になりました。

これは成功体験の一つにすぎませんが、

一方で、人格を否定する、無視する、必要以上に威圧するなど、こちらの関わり方だけでは解決できないケースもあります。

ここを全部、

「自分のコミュニケーション能力が低いから」

と考えないことも大切です。

自分の工夫で改善できることと、自分一人で抱えてはいけないことを分けて考えてください。

3.怖い先輩ほど「質問の型」を持っておく

怖い先輩に話しかけるとき、

「何て言えばいいんだろう……」

と頭が真っ白になってしまうことがあります。

そんな人には、自分なりの「質問の型」を作っておくことをおすすめします。

たとえば、

「〇〇さん、今よろしいですか?」

「○号室の〇〇さんについて相談です」

「先ほど血圧が90台まで低下しました」

「現在、意識状態に変化はありません」

「私はまず○○を確認する必要があると考えています」

「一度確認していただけますか?」

というような形です。

ポイントは、

何が起きているのか
自分はどう考えているのか
相手に何を確認したいのか

を整理してから話すことです。

もちろん、新人のうちから毎回正しい判断ができるわけではありません。

自分の考えが間違っていてもいいのです。

「私はこう考えたのですが、自信がありません」

でも構いません。

質問が上手な人とは、何でも知っている人ではありません。

「自分が何に困っているのか」を相手に伝えられる人だと思います。

特に新人のうちは

相談する内容を頭の中だけで考えると

何をどの順番でどう伝えたらいいか

整理できずに話してしまい

結果的に先輩をイラつかせてしまうことがあります。

質問をするための事前準備を怠らず

質問の型を作って質問することを繰り返すことで

自分なりの質問の仕方が定着していきます。

4.怒られたことと「自分の価値」を一緒にしない

先輩から注意された日の帰り道。

「あんなこともできなかった」

「また怒られた」

「同期はできているのに」

と何度も思い出し、最終的には、

「自分は看護師に向いていないのかもしれない」

と考えてしまうことがあります。

そんなときは、注意された内容を、

事実・原因・対策

の3つに分けてみてください。

たとえば点滴の確認が遅れたのであれば、

事実
「点滴の確認が遅れた」

原因
「更新時間をスケジュールに入れていなかった」

対策
「次から勤務開始時に点滴更新時間を確認する」

ここまで考えたら、反省は一度終了です。

必要なのは、同じ失敗を減らすための対策です。

「だから自分はダメな看護師なんだ」

まで考える必要はありません。

反省することと、自分を責め続けることは違います。

注意された内容から、次に必要なものだけを持って帰る。

先輩の強い口調や不機嫌そうな表情まで、自宅に持って帰らなくていいのです。

5.怖い先輩と勤務するときこそ「準備」をする

勤務表を見て、

「明日、あの先輩と一緒だ……」

と思ったとき。

気合いで乗り切ろうとするよりも、準備をしておく方が役立つことがあります。

勤務が始まったら、

「今日絶対に確認しなければいけないこと」

「時間が決まっている処置」

「自分だけでは判断できそうにないこと」

を早めに整理します。

そして、疑問点があれば可能な範囲で早めに確認しておきます。

また、

「この先輩以外に誰へ相談できるか」

を知っておくことも大切です。

プリセプター、リーダー、教育担当、別の先輩。

相談できる人がいるのであれば頼っていいのです。

ただその怖い先輩が上席についているのに

それ以外の先輩たちばかりに相談していると、

怖い先輩も人間なので

「なんで私が指導についているのに他の人ばかりに相談するの?」

とへそを曲げてしまいます。

5回に1回ぐらいは

比較的簡単そうな、逆質問が返ってきても答えられそうな質問を

怖い先輩にしていくようにしましょう。

6.「怖くても絶対に相談するライン」を決める

ここは僕が特に伝えたいことです。

怖い先輩との関係に悩んでいたとしても、患者さんの安全に関わることだけは別です。

意識状態がおかしい。

血圧が大きく低下した。

SpO₂が低下している。

胸痛を訴えている。

薬剤投与について判断に迷っている。

処置の方法に自信がない。

このような場面で、

「怒られるかもしれないから、もう少し様子を見よう」

と考えることの方が危険です。

怖いから伝えなかった。

それが原因で患者さんの状態が悪くなったなんてことがあったら

一生消えない十字架を背負わなければならなくなります。

そうならないためにも

「すみません、自分では判断できないので確認してください」

でも構いません。

新人だからこそ、一人では判断できないことは先輩たちもわかってます。

そこで助けを求めることは逃げではありません。

患者さんを守るための行動です。

先輩の機嫌より、患者さんの安全を優先する。

ここだけは忘れないでください。

7.それは「怖い先輩」で済ませていいのか

最後にもう一つ。

人格を繰り返し否定される。

みんなの前で必要以上に怒鳴られる。

自分だけ無視される。

必要な情報を意図的に教えてもらえない。

質問するたびに威圧され、患者さんに必要な相談までできなくなっている。

このような状態が続いているのであれば、

「自分がもっと頑張ればいい」

だけで解決しようとしないでください。

プリセプター、教育担当、主任、師長など、信頼できる人へ相談することも必要です。

その際には、

「いつ・どこで・何を言われたのか・業務にどんな影響が出たのか」

を整理しておくと伝えやすくなります。

特に患者さんの安全に影響しているのであれば、それは単なる「先輩と新人の相性」の問題ではありません。

一人で抱え込まなくていい問題です。

怖い先輩に好かれなくても、看護師は続けられます

新人の頃は、職場の人間関係が世界のすべてのように感じることがあります。

先輩に怒られたら、

「自分は看護師に向いていない」

先輩に嫌われたら、

「もうこの職場ではやっていけない」

そんなふうに思ってしまうこともあります。

でも、すべての先輩から好かれる必要はありません。

あなたが目指すべきなのは、

「先輩に怒られない看護師」ではありません。

分からないことを確認する。

必要なことを報告する。

危険だと思ったら相談する。

そして患者さんの安全を守る。

それができる看護師です。

怖い先輩を変えることは難しいかもしれません。

でも、その人の言葉や態度に、自分の看護師としての価値まで決めさせる必要はありません。

そして、もし今、

「職場の人には相談しづらい」

「こんなことで悩んでいるのは自分だけかもしれない」

「誰かに聞いてほしいけど、相談できる人がいない」

そんな悩みを抱えているのであれば、一人で抱え込まないでください。

僕はInstagramや公式LINEでも、新人看護師さんに向けて発信しています。

先輩との人間関係だけでなく、

仕事がうまくいかないこと。

同期と比べてしまうこと。

ミスをして落ち込んでいること。

看護師を続けるか悩んでいること。

どんなことでも大丈夫です。

「こんなことで相談していいのかな」と思うようなことほど、誰かに話すことで少し整理できることがあります。

InstagramのDMでも、公式LINEでも構いません。

悩んだときは、いつでも話しに来てください。

僕の経験だけですべてを解決できるとは思っていません。

でも、一緒に考えることはできます。

このnoteが、明日の勤務を少しだけ楽にするきっかけになれば嬉しいです。

公式LINE

Add LINE friendlin.ee

Instagramアカウント

InstagramCreate an account or log in to Instagram – Share what you’rewww.instagram.com

コメント

タイトルとURLをコピーしました