「定時で帰れない」が当たり前になっている看護師へ

看護師の残業は、本当に「仕方ない」で終わらせていいのか?

「今日こそ定時で帰ろう」

朝、そう思っていたはずなのに。

気づけば定時を30分過ぎている。

記録が残っている。

看護計画も修正できていない。

退院の準備も終わっていない。

やっと記録に取りかかろうと思ったら、ナースコール。

「ちょっと来てもらえますか?」

その対応をして戻ってきたら、今度は点滴のアラーム。

さらに患者さんの状態が変わって、医師へ報告。

気づけば定時から1時間。

先輩から、

「今日、早く帰れそうだね」

と言われる。

時計を見れば、とっくに勤務時間は終わっている。

これって、本当に「早く帰れた」のでしょうか。

いつから僕たちは、定時を過ぎて働くことを「普通」だと思うようになったのでしょう。

目次

  1. 看護師の残業は、本当に「仕方ない」で終わらせていいのか?
  2. 看護師の仕事は、そもそも「予定通り」に終わらない
  3. 看護師には「自己犠牲」が染みつきやすい
  4. 「自分だけ帰れない」が自信を奪っていく
  5. 定時で帰るために、看護を削らない
  6. 看護師自身の時間も、大切にされてほしい
  7. 一人で抱え込まないために

看護師の仕事は、そもそも「予定通り」に終わらない

看護師の仕事が時間内に終わりにくい理由の一つに、多重業務があります。

朝、スケジュールを立てても、その通りに進むことなんてほとんどありません。

点滴、内服、検査、処置、清潔ケア、血糖測定、入退院、記録。

そこに、

「トイレに行きたい」

「点滴が痛い」

「先生に聞きたいことがある」

「家族から電話が来ています」

と、予定していなかった仕事が次々と入ってきます。

さらに患者さんが急変すれば、当然そちらが最優先です。

でも、ここが看護師のつらいところです。

急変対応をしたからといって、もともと予定していた仕事がなくなるわけではありません。

急変対応が終われば、残っていた点滴、内服、ケア、記録が待っています。

一つの仕事をしている間にも、次の仕事が増えていく。

これが看護師の仕事です。

だから僕は、

「定時で終わらない=仕事ができない」

と単純に考えてほしくありません。

看護師には「自己犠牲」が染みつきやすい

そしてもう一つ。

看護師は、とても自己犠牲の心を持ちやすい仕事だと思います。

「患者さんが待っているから」

「忙しそうだから先輩には頼めない」

「自分の受け持ちだから、自分でやらないと」

「休憩より患者さんを優先しないと」

誰かのために動けることは、看護師の素敵なところです。

でも、その優しさがいつの間にか、

「自分の時間は削って当たり前」

に変わっていないでしょうか。

休憩を削る。

水分を摂るのを忘れる。

トイレを我慢する。

定時を過ぎても働き続ける。

そして、それを「看護師だから仕方ない」で終わらせる。

患者さんを大切にすることと、自分を犠牲にすることは同じではありません。

「自分だけ帰れない」が自信を奪っていく

特に新人看護師さんにとって、残業は単なる「時間」の問題ではありません。

周りを見ると、先輩は記録を終えている。

同期も帰る準備をしている。

でも、自分のパソコンにはまだ書いていない記録が並んでいる。

すると、

「やっぱり自分は仕事が遅い」

「同期よりできていない」

「看護師に向いてないのかな」

と、残業時間まで自分の能力を測る物差しになってしまいます。

そして焦れば焦るほど、

「早く終わらせなきゃ」

という気持ちが強くなる。

ここで僕が怖いと思うのは、

患者さんと向き合う時間まで「早く終わらせる対象」になってしまうことです。

患者さんの話を聞く時間。

「いつもと何か違う」と感じて、もう一度観察する時間。

不安そうな患者さんのそばにいる時間。

本当は、そういう時間も看護だと思います。

定時で帰るために、看護を削らない

もちろん、時間管理を身につけることは大切です。

優先順位を考える。

時間が決まっている仕事から予定を立てる。

記録を溜め込まない。

仕事が重なりそうなら、早めに周囲へ相談する。

「全部自分でやらなければ」と抱え込まない。

こうした力が身につけば、少しずつ仕事は回しやすくなります。

でも同時に知っておいてほしいことがあります。

個人の努力だけでは解決できない残業もあります。

どれだけスケジュール管理が上手でも、急変は起きます。

緊急入院も来ます。

患者さんの状態も予定通りにはいきません。

だから、

「残業した=今日も自分はダメだった」

で一日を終わらせないでください。

振り返るなら、

「今日の自分は何ができなかったか」ではなく、「次は何を変えられるか」

を考えれば十分です。

看護師自身の時間も、大切にされてほしい

僕が思う理想は、

患者さんに必要な看護を届けながら、看護師自身の時間も守られる現場です。

看護師だって、病院を出れば一人の人間です。

家族との時間があります。

友人との時間があります。

好きなことをする時間があります。

何もせず、ただ休む時間だって必要です。

毎日残業して、家に帰って、ご飯を食べて、お風呂に入って、寝る。

そして翌朝、また病院へ行く。

そんな毎日を「看護師だから仕方ない」と思い続けていたら、いつか看護そのものまで嫌いになってしまうかもしれません。

患者さんの人生を大切にする仕事だからこそ、看護師自身の人生も大切にしてほしい。

「残業するのが当たり前」ではなく、

「今日も定時で帰れたね」

そんな会話が当たり前になる看護の現場になってほしいと思います。

一人で抱え込まないために

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患者さんのために頑張れることは、看護師の大きな強みです。

でも、その優しさの中に、自分自身も入れてあげてください。

患者さんの時間と同じように、

あなたの時間も、大切な時間です。

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