「私には、これといった強みがありません」
そう思っている看護師さんに、伝えたいことがあります。
あなたが毎日の仕事で当たり前にやっていること。
実はそれ、看護師だからこそ身についた立派な「強み」かもしれません。
看護師として働いていると、どうしても「できないこと」に目が向きます。
採血が苦手。
急変対応に自信がない。
報告がうまくできない。
仕事が遅い。
先輩みたいに知識がない。
周りには自分より仕事ができる人がたくさんいて、
「私なんて全然ダメだな」
と思ってしまうこともあります。
でも、少しだけ見方を変えてみてください。
看護師として働く中で身につけてきたものは、本当に何もないでしょうか?
僕は、そんなことはないと思っています。
看護師は「小さな変化」に気づく
患者さんの顔を見て、
「なんかいつもと違う」
と感じたことはありませんか?
バイタルサインは大きく変わっていない。
でも、
「顔色が悪い気がする」
「いつもより返事が遅い」
「なんとなく元気がない」
そんな小さな違和感に気づく。
これは毎日患者さんを観察し、考え続けてきた看護師だからこそ身についた力です。
「観察力」は、看護師の大きな強みです。
看護師は「優先順位」を考えている
看護師の仕事は、一つずつ順番に終わらせればいい仕事ではありません。
検査、点滴、処置、ナースコール、入院、退院、急変。
予定していた仕事の途中に、次々と新しい仕事が入ってきます。
そのたびに、
「今、一番優先すべきことは何か」
を考えます。
新人の頃はスケジュール管理ができず、先輩に何度も注意された人でも、経験を重ねるうちに自然と優先順位を考えられるようになります。
これも立派な能力です。
看護師は「相手に合わせて伝える」
同じ説明でも、患者さんによって伝え方を変えます。
医療者には専門用語で伝えられても、患者さんには分かりやすい言葉へ置き換える。
不安が強い人にはゆっくり話す。
耳が聞こえにくい人には声の大きさを変える。
認知機能が低下している人には、一度にたくさん説明しない。
僕たちは毎日のように、
「どうすれば、この人に伝わるだろう」
と考えています。
つまり看護師は、コミュニケーション能力も日々鍛えています。
看護師は「誰かのために動ける」
忙しい勤務中でも、
「痛くないですか?」
「寒くないですか?」
「トイレは大丈夫ですか?」
と患者さんのことを考える。
自分も忙しいのに、後輩が困っていたら声をかける。
誰かが急変対応をしていたら、自分にできることを探す。
看護師の世界では当たり前に見えるかもしれません。
でも、
「相手が何に困っているかを考えて、自分から動ける」
という力は、決して当たり前ではありません。
あなたが「普通」だと思っていることが、強みかもしれない
看護師は、自分に厳しい人が多いように感じます。
できたことより、できなかったことを覚えている。
褒められたことより、怒られたことを覚えている。
だから、
「自分には何もない」
と思ってしまう。
でも、本当は違います。
患者さんの変化に気づく観察力。
複数の仕事を整理する優先順位判断。
状況が変わったときの対応力。
相手に合わせるコミュニケーション力。
チームで動く協調性。
そして、目の前の人のために動ける力。
看護師として働いてきた時間の中で、あなたはたくさんの力を身につけています。
ただ、それを毎日使っているから、自分では「普通」だと思っているだけなのかもしれません。
自分の強みを知らないまま働き続けないでほしい
自分の強みが分からないまま働いていると、
「私は仕事ができない」
「看護師に向いていない」
「私なんて必要とされていない」
と、自分を否定し続けてしまうことがあります。
そして本当は十分頑張っているのに、自信を失って看護師を辞めたくなってしまう。
それは、あまりにももったいない。
もちろん、苦手なことを改善することも大切です。
でも、それと同じくらい、
「自分には何ができるのか」
を知ることも大切だと思っています。
強みが分かると、
「私はここで役に立てる」
と思えるようになります。
周りと比べるだけではなく、自分なりの看護を考えられるようになります。
そして少しずつ、
「このまま看護師を続けてもいいのかもしれない」
と思えるようになる。
看護師として成長するために必要なのは、できない自分を責め続けることだけではありません。
自分がすでに持っているものに気づくことも、立派な成長です。
あなたの強みは、あなた自身が一番見つけにくい
自分にとって当たり前のことほど、自分では価値に気づきにくいものです。
だからこそ、
「私の強みって何だろう?」
と一度立ち止まって考えてみてください。
患者さんから言われて嬉しかった言葉。
先輩から褒められたこと。
後輩から頼られたこと。
自分が看護で大切にしていること。
その中に、あなたの強みが隠れているかもしれません。
看護師として働いていると、しんどいことはたくさんあります。
でも、あなたがこれまで積み重ねてきた経験まで否定する必要はありません。
あなたが「こんなの普通」と思っていることを必要としている人が、きっといます。
「自分には何もない」ではなく、
「自分には何があるだろう?」
そんな視点で、自分の看護を見つめ直してみてください。
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看護師として頑張るために、一人ですべてを抱える必要はありません。
そして最後に、もう一度。
あなたが「当たり前」だと思っているその力は、誰かにとって必要な「強み」かもしれません。
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