はじめに
僕は今、17年目の看護師です。
救急の現場で看護師として働いています。
でも17年前。
看護師になって、たった2か月で、
僕は本気で看護師を辞めようと思っていました。
理由は、仕事ができなかったから。
そして何より、
「あなたは仕事ができない」
「みんな君と仕事したくないって言ってる」
当時の上司たちから、そんな言葉を毎日のように言われ続けていたからです。
一度だけではありません。
何度も、何度も、面と向かって言われました。
看護師になったばかりの僕にとって、その言葉は本当に心を削られるものでした。
「自分は看護師に向いていないのかもしれない」
「自分はこの職場に必要とされていないのかもしれない」
周りから「仕事ができない」と言われ続けていると、
いつしか自分でも、
「自分は仕事のできない人間なんだ」
「仕事のできない自分なんて、価値のない存在なんだ」
と思うようになっていました。
そんな僕を、ギリギリのところで看護師につなぎ止めてくれていたものがあります。
それは、
患者さんからもらった言葉でした。
「今日あなたが担当でよかった」
「明日もよろしくね」
「ありがとう」
自分では何をやってもうまくできていないと思っていた新人時代。
そんな僕にとって、患者さんからもらう言葉は本当に救いでした。
「自分のやっていること全部が、間違っているわけじゃないのかもしれない」
そう思わせてくれました。
看護師になって2か月で辞めたかった僕が、なぜそこから17年間も看護師を続けることができたのか。
そして、なぜ今、同じように悩んでいる新人看護師さんに向けてnoteを書いているのか。
今日は少しだけ、僕自身の話をしたいと思います。
目次
- はじめに
- 「仕事のできない新人看護師」だった僕
- 僕がやりたかった看護
- 「仕事ができる看護師」って何なんだろう
- それでも、自分がやりたい看護を捨てなかった
- 2年目から、少しずつ「自分の看護」ができるようになった
- 気づけば、看護師17年目になった
- だから僕はnoteを書く
- 看護の楽しさを知る前に辞めてほしくない
- 新人2か月で辞めたかった僕だから伝えられること
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「仕事のできない新人看護師」だった僕
新人時代の僕は、決して仕事ができる看護師ではありませんでした。
仕事が早いわけでもない。
スケジュール管理が上手いわけでもない。
周囲を見ながら、テキパキ仕事を進められるわけでもない。
そんな僕に、上司たちは何度も言いました。
「あなたは仕事ができない」
「みんな君と仕事したくないって言ってる」
今振り返っても、かなり心を削られた新人時代だったと思います。
でも、そんな毎日の中で僕を救ってくれていたのは、他ならぬ患者さんたちでした。
受け持った患者さんから、
「今日あなたが担当でよかった」
「明日もよろしくね」
「ありがとう」
そう言ってもらえることがありました。
その言葉が、本当にうれしかった。
職場では「仕事ができない」と言われている。
それでも患者さんからは、
「あなたが担当でよかった」
と言ってもらえる。
その言葉を聞くたびに、
「自分の患者さんへの関わりは、間違っていないんだ」
そう思うことができました。
僕がやりたかった看護
僕がやりたい看護は、新人の頃から大きく変わっていません。
時間をかけてでも、患者さんのそばに寄り添って話を聞く。
患者さんが抱えているあらゆる苦痛を、できるだけ早く取り除く。
取り除くことができないのであれば、少しでも軽減する。
そんな看護がしたいと思っていましたし、今でもそれが僕の『看護観』です。
でも、職場での僕の評価は、
「仕事のできない新人看護師」
でした。
患者さんからは「あなたが担当でよかった」と言ってもらえる。
でも職場では「仕事ができない」と言われる。
この頃の僕は、
職場から求められる仕事と、患者さんから求められる看護師像との間で思い悩んでいました。
「仕事ができる看護師」って何なんだろう
当時の病棟には、「仕事ができる」と言われている看護師たちがいました。
もちろん、その中には本当に尊敬できる先輩もいました。
でも、一部の看護師の働き方を見ながら、僕は疑問を感じることもありました。
ナースコールを取らない。
電話対応もしない。
受け持ち患者さんの排泄介助も後輩へ依頼する。
そうしてできた時間で、自分の記録を終わらせていく。
終業時間が近づいてくると、
「何か手伝うことある?」
と声をかけてくる。
でも、どこか形式的で、
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
という言葉を待っているように感じることもありました。
たまに何かをお願いすると、
「それ、依頼してくる?」
と言いたそうな顔をされる。
そりゃあ、毎日定時で仕事が終わるわけです。
新人だった僕は、そんな光景を見ながら思っていました。
「仕事ができる看護師って、何なんだろう」
ナースコールに出ること。
患者さんの排泄介助をすること。
患者さんのそばに座って話を聞くこと。
不安や苦痛に気づいて関わること。
それも看護師の仕事じゃないのか。
でも、それを大切にすると自分の仕事は終わらない。
記録が残る。
残業になる。
そして「仕事ができない」と言われる。
職場から求められること。
自分がなりたい看護師像。
そして、患者さんから求められる看護師像。
その狭間で、僕はずっと思い悩んでいました。
それでも、自分がやりたい看護を捨てなかった
そんな新人時代を過ごしながらも、
「自分はどんな看護がしたいのか」
「どんな看護師になりたいのか」
そこだけは、できるだけ見失わないようにしていました。
もちろん、患者さんのそばにいることだけが看護ではありません。
患者さんの話を聞きたいのであれば、そのための時間をつくらなければいけない。
仕事を時間内に終わらせるためのスケジュール管理も必要です。
患者さんの苦痛を早く取り除きたいのであれば、知識も技術も必要です。
新人の1年間は、それすら十分にできませんでした。
でも、なんとか1年間を乗り越えました。
そして2年目になった頃から、少しずつ状況が変わってきました。
2年目から、少しずつ「自分の看護」ができるようになった
2年目になると、少しずつスキルが身につきました。
時間管理も上手になってきました。
仕事の流れも分かるようになり、業務と業務の間に少しずつ時間をつくれるようになりました。
そこでようやく、僕が看護師として大切にしてきた時間を確保できるようになりました。
それが、
「いかに患者さんと、看護師対患者ではなく、人対人として会話をするか」
という時間です。
僕は、この時間が好きでした。
病気のことだけではなく、いろいろな話をする。
その人が今までどんな人生を歩んできたのか。
家族のこと。
仕事のこと。
好きなこと。
退院したら何をしたいのか。
時には、本当に何気ない話をする。
そうやって一人の人間として患者さんと向き合う。
そんな時間を少しずつつくれるようになってきました。
そして、その頃からです。
「看護師って楽しいな」
「看護って、やりがいのある仕事だな」
と、心の底から思えるようになったのは。
新人2か月で、
「もう辞めたい」
と思っていた僕が、です。
気づけば、看護師17年目になった
そこから経験を重ねてきました。
知識を身につけ、技術を磨き、さまざまな患者さんと関わってきました。
そして今は、救急の現場で働いています。
気づけば看護師17年目になりました。
それでも、僕が大切にしている看護は、新人時代から大きく変わっていません。
時間をかけてでも患者さんのそばに寄り添い、話を聞く。
患者さんが抱えている苦痛をできるだけ早く取り除く。
それが難しければ、少しでも軽減させる。
そして、
看護師対患者ではなく、人対人として関わる。
それが、誰が何と言おうと絶対に曲げない、僕が17年間大切にしてきた看護観です。
だから僕はnoteを書く
今もきっと、17年前の僕と同じような思いをしながら、なんとか踏ん張っている新人看護師さんがいると思います。
職場から求められること。
患者さんから求められること。
そして、自分がやりたい看護。
その狭間で悩んでいる。
「自分は仕事ができない」
「看護師に向いていないのかもしれない」
「もう辞めたい」
そう思いながら、それでも次の日になれば白衣を着て病院へ向かっている。
そんな新人看護師さんがいるはずです。
だったら、僕と同じような思いをしている人たちの力になりたい。
それが、僕がnoteを書く理由です。
今はしんどいかもしれない。
仕事を覚えるだけで精一杯かもしれない。
先輩の顔色を見るだけで一日が終わってしまうこともあるかもしれない。
自分がやりたかった看護なんて、全然できていないと感じるかもしれない。
でも、仕事に慣れてくると少しずつ変わってきます。
知識が増える。
スキルが身につく。
時間管理ができるようになる。
少しずつ余裕が生まれる。
その余裕ができたとき、ようやく自分が本当にやりたかった看護ができるようになることがあります。
僕自身がそうでした。
そして、自分のやりたい看護ができるようになって初めて、
「看護師って楽しい」
「看護って面白い」
そう思えるようになりました。
看護の楽しさを知る前に辞めてほしくない
今は、新人の段階で看護師を辞めていく人も少なくありません。
その中には、看護師としての楽しさや、やりがいを十分に感じる前に、夢半ばで辞めていく新人さんもいると思います。
僕は、それがすごくもったいないと感じています。
もちろん、本当につらい環境で無理をして働き続ける必要はありません。
今いる職場を離れることと、看護師そのものを辞めることは別です。
でも、もし、
「看護は好きなのに、今の仕事がしんどい」
「患者さんと関わることは好きなのに、仕事ができない自分が嫌になる」
「本当は看護師を続けたいけど、もう限界かもしれない」
そんな気持ちで踏ん張っている人がいるのなら、その人の力になりたい。
新人の1年間を乗り越えて、自分のやりたい看護を実践できるスタイルを身につける。
そして、その先に続く長い看護師人生へ進んでいってほしい。
そのために僕が17年間で経験してきたこと、失敗してきたこと、身につけてきた知識や仕事の考え方を伝えていきたいと思っています。
新人2か月で辞めたかった僕だから伝えられること
17年前の僕は、
「あなたは仕事ができない」
と言われていました。
看護師になって、たった2か月で辞めたいと思っていました。
でも、患者さんからもらった、
「今日あなたが担当でよかった」
「明日もよろしくね」
「ありがとう」
という言葉に救われました。
そして、自分のやりたい看護を捨てずに17年間続けてきました。
だから今度は、僕が言葉を届ける側になりたい。
17年前の僕と同じように、
「仕事ができない」
「看護師に向いていない」
「もう辞めたい」
と思っている新人看護師さんへ。
今はまだ、自分のやりたい看護をする余裕がないだけかもしれません。
知識が増えて、スキルが身について、時間を上手に使えるようになったとき。
少しずつ、自分が本当にやりたかった看護ができるようになるかもしれない。
そしてその先に、
「看護師になってよかった」
と思える瞬間が待っているかもしれません。
新人時代2か月で辞めたかった僕が、17年経った今、
「看護師って楽しい」
「看護ってやりがいのある仕事だ」
と心の底から思えているように。
今、必死に踏ん張っている新人看護師さんが、自分らしい看護を見つけ、その先に続く長い看護師人生を歩んでいけるようにサポートしたい。
そんな思いで、僕はこのnoteを書いています。
「周りからどう見られるか」ではなく、「自分はどうありたいか」
ここまで書いてきて、改めて思うことがあります。
新人時代の僕が一番苦しかったのは、仕事ができなかったことだけではありません。
「先輩からどう思われているんだろう」
「また仕事ができないと思われるんじゃないか」
「みんなに迷惑をかけているんじゃないか」
いつの間にか、周りからの評価を基準にして、自分自身の価値まで決めようとしていたことでした。
でも本当は、
「周りからどう評価されるか」
よりも、
「自分はどんな看護師でありたいのか」
を大切にしてよかったんだと思います。
僕の場合、それが患者さんのそばに寄り添い、人対人として関わる看護でした。
周りの評価に振り回される「他人軸」ではなく、自分が大切にしたいものを基準にする「自分軸」。
これは17年間看護師を続けてきた今でも、とても大切にしていることです。
そして、もし今、
「先輩の顔色ばかり気にしてしまう」
「同期と比べて落ち込んでしまう」
「周りからの評価で、自分は看護師に向いていないと思ってしまう」
そんなことで苦しくなっている人がいたら、もう少し具体的に伝えたいと思って書いたnoteがあります。
『他人軸から自分軸へ|看護師のメンタルを守るために明日からできる7つのこと』
https://note.com/embed/notes/nf20934fe106f?theme=auto
僕自身が新人時代に知っていたら、もう少し自分を追い詰めずに働けていたかもしれない。
そんなことを考えながら書きました。
今、周りの評価や人間関係に少し疲れている人にとって、
自分の看護をもう一度大切にするきっかけになればうれしいです。
そしていつか、
「周りからどう思われるか」ではなく、「自分はこんな看護師でありたい」
そう思いながら働けるようになってほしい。
それが僕がnoteを通して、これから伝えていきたいことの一つです。
僕の書くnoteに共感してくださった方がおられたら、
ぜひ今後とも応援していただけると嬉しいです。

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